バベルの塔の63Fに住まうカエルもどき

世の中を俯瞰した気になっているカエルもどきの愚痴場

就職活動〜新卒採用アドバイザー編②

前回からの続きです。

 

私が新卒アドバイザーとの初面談で感じた2つ目の違和感はやたらと成長を押し付けてくること。

面談の冒頭、どんなキャリアがいいかと聞かれた時に私は「公務員のような安定は望んでいないが、福利厚生がしっかりとしていて、当事者意識を持ち続けて仕事がしたい」と伝えました。

最初こそ私の話に耳を傾ける素振りを見せていましたが、何かと「君は若くして責任のある仕事をしてどんどん成長していったほうがいいと思う」や「大企業に行っても最初の一年間はビジネスマナーの研修とかそんなんばかり。馬鹿らしいと思わない?」、「若くして成長していけば、その先はどんなキャリアでも作れる」とまるで私に雨後のタケノコにでもなれと言わんばかりに成長を押し付けてきたのです。

たしかにアドバイザーの話は正しいのかもしれないですし、そういう考えに共感を持つ人もいるのでしょうが、私の考えは違いました。

7年だか10年だかを土の中でひっそりと過ごし、一瞬花開くセミみたいなキャリアで構わないと思っていたわけです。

何よりも大企業はクソ、ベンチャーは成長できるという短絡的な二項対立論を投げかけてくることにイライラしていました。

今思えば1つ目の違和感に繋がる話でもあるのですが、必死こいてベンチャーに興味を持たせて学生をそこに放り込みたかったんだろうなと思います。

これは完全な推測ですが、自分たちが媒介となって就職を斡旋した分だけクライアントから報酬が出るのかもしれませんね。

とにもかくにもタケノコを目指してはいなかった私にとってこの成長の押し売りが違和感でしかありませんでした。

 

最後に新卒アドバイザーに感じた3つ目の違和感は、あまりに就活時のキャリアが華々しすぎることです。

面談冒頭の自己紹介的なパートで、BHは自分自身の就活の時に大手商社、大手外資コンサルタントメガバンク等、五社の内定を取ったが今の会社を選んだと豪語していました。

大手を蹴って、今の会社を選んだ理由も早く成長したいと思っていたからと話していた点はお約束のギャグのようなものですね。

もしかしたら本当にBHは日本の最大手企業たちから内定をもらっているのかもしれませんが、私の印象では嘘に思えてなりませんでした。

学生を信用させるための詭弁だったと思っています。右も左も分からない小学生くらいの子供が友達の親が社長と聞いて無条件にすごいと思ってしまうのと感覚は同じです。それくらい就活中は物事が見えなくなるものだと思います。

そもそもベンチャーへ行って成長したかったならなぜ何個も大企業の内定を取る必要があったのか不思議でなりません。自慢のためでしょうか?

 

まあ今となれば冷静に色々と違和感を分析できますが、社会の何たるかもわからない当時の私には違和感以上の感覚を得ることはできませんでした。

その後、アドバイザーの勧めに応じて3社ほどベンチャーの面接へ足を運びましたが、その時の体験が決定打となりこのアドバイザーとは縁を切ることにしました。

その体験はまた後ほど時間あれば書いてみます。

 

海外のことはよく知りませんが、日本の今の就職活動は学生に夢を与えるだけ与えて、現実を見せない変な仕組みだなと思います。

企業に就職してサラリーマンになるのであれば優先されるべきは自分の夢以上に会社の利益です。

もちろん夢があればその実現に向けて頑張れるということは否定しませんが、今の新卒マーケットで跳梁跋扈する怪しい人たちは、どうも夢だけを見せて夢に至るまでの苦難を包み隠している気がしてなりません。

 

就活生の皆さん、不安は多いでしょうが地に足をつけて現実をしっかりと踏まえた面接をすれば必ず内定はどこかしらからもらえるでしょう。

スケールの大きさ以上にサラリーマンとしては堅実さが大事だと思います。

 

一旦終わります。